サラリーマンの日本200名城登城記録

日本100名城、続100名城に興味をもった普通のサラリーマンが綴る登城日記。200名城の制覇は時間、体力、金銭に非常に厳しい旅行。だが、日本の歴史的遺跡・遺物の素晴らしさを知り、完全に登城した時の充実感を感じ、ついでにやたらと歩く運動不足の解消と仕事のストレス発散など、良いところづくめの面白さ。そのようなところを綴っていきたい。

カテゴリ:その他の城 > 長崎県

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続100名城の99城目となった五島市の福江城を登城後、たまたま見つけたので、行ってみることにしたのは勘次ヶ城。別名は、勘次が城、勘次ケ城、山崎石塁、山崎の石塁、倭寇城。城址の真横あたりに無料の駐車場があったと記憶しているので、アクセスは是非車で。
登城日は2019年10月5日。福江城から車で1時間は掛からなかったと思う。到着目前に、海に向かって指をさしている実物大の奇妙な人形で出会うことになる。どちらかがこの城の築城主である勘次、手前の方と思う。
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この城は今から150年程前、大工の勘次が河童と築いた石の城という説や、大きな施設でのぞき穴などがある事から倭寇のアジトとして築城されたという説がある。城址入口にある石塁のミニチュア版。なかなか良く出来ている。
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この城を築いた石は日本古来の築城に用いられた大石ではなく、一人で出来る石が用いてあるとのこと。
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石塁はほぼ長方形の構造をしており、入口は一箇所で約27m×約40m、壁の高さは約3.6mにおよぶと言う。
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迷路のような石積みが巡らされ、その延長は180メートルとのことだ。その一番高い所に登ってみた。
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勘次ヶ城は勘次が一人で作ったとのことで、当然ながら広くはなく、滞在時間は10分程度であろう。謎めいた石塁であり、諸説はあれど、150年以上に渡りしっかりと残っていることには驚く。福江城訪問の際には是非、お立ち寄り頂きたい。
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続100名城の最後の100城目となった対馬の金田城を登城する前に、織豊系城郭として有名な山城の清水山城を登城、その山麓にある金石城に登城することにした。別名は金石屋形、厳原城。ここにアクセスするには、厳原港から車で3分ほど、対馬空港からは車で15分くらいのところにある「観光情報館ふれいあい処つしま」に一旦寄ってから向かうのが良い。パンフレットなどが置いてある。
登城日は2019年10月14日。この施設からすぐに見えて来るのが城の入口である大手門櫓、平成期に再建されたもの。金石城は1528年に宗将盛がこの地に作った金石屋形をはじめとする。1665年に拡張し、城郭を整備、1669年に大手門にこの櫓を建てたことで「金石城」と呼ばれるようになった。
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1687年に桟原城が築城されると、藩庁としての機能は失われたが、城は残っていた。城内には発掘調査により復元された庭園があり、国指定の名勝となっている。
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庭園は広く、江戸時代の風情を感じることが出来る。
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庭園近くに城の搦手門があるので、お見逃し無きように。発掘時に櫓台の石垣なども確認された。
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19世紀の絵図には銅門と記されているとのことだ。
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最終的に、大手門櫓は1813年の大火で焼失、4年後に二重櫓門を再建するも大正期に老朽化で解体、現在のものは1990年に復元されたものとのこと。
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金石城は庭園も見て廻って30分程度だった。清水山城の山麓なので、ついでにセットで見て廻ると良い。
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続100名城の最後100城目となった対馬の金田城を登城する前に、織豊系城郭として有名な山城の清水山城を登城した。この城にアクセスするには、厳原港から車で3分ほど、対馬空港からは車で15分くらいのところにある「観光情報館ふれいあい処つしま」に一旦寄ってから向かうのが良い。ここに駐車し、徒歩約10分ほどで登山口に着ける。だが、その道中は一般道とはいえ、結構、急坂を行く。現地に行けばわかるが、登山口の目の前は民家なので駐車スペースは無いので要注意。
登城日は2019年10月14日。「観光情報館ふれいあい処つしま」にて、続100名城最後の金田城のスタンプを押印した後、登山口へ向かった。そこまでは少々わかりずらいので、こちらをご参照頂ければすんなりと行けると思う。
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道中は整備はされているが、石ころが転がっているので、革靴などではシンドイと思う。一の丸まで行くのであれば、30分くらい掛かるので、夏場などは水分等の準備も必要だ。
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清水山城は、朝鮮出兵時に豊臣秀吉の御座所として、1591年に宗義智が築城した。この城は、朝鮮出兵の一大拠点であった肥前の名護屋城から、壱岐の勝本城、朝鮮半島は釜山につながる重要な軍事的中継点としての役割であった。登城開始して、10分弱で三の丸が見えて来る。算木積みの石垣は壮大だ。
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この城は、標高210mの清水山の尾根沿いに、東西約500mにわたって、山頂に一ノ丸(本丸)、中腹に二ノ丸、東の段丘に三ノ丸を配した三段の曲輪が並び、斜面を這う竪石垣で結ばれている。ここ三の丸からは厳原(いづはら)の町並みや厳原港を一望出来る。
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三の丸から、二の丸ヘ向かう。途中にある石垣は大きな石を配置した鏡積みも見られる。
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重要な拠点であった清水山城ではあるが、秀吉の死により、朝鮮半島から撤退するとすぐに廃城となってしまった。二の丸には約10分ほどであったと思う。ここには内舛形虎口が残り、織豊系城郭であることを感じることが出来る。
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二の丸からの眺望も良い。厳原港と町並を一望。
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この清水山城、秀吉の朝鮮出兵(1592年~)の際の釜山への重要拠点とすべく、1591年に秀吉の命により毛利高政が築城したと言うのが説であったが、近代になって、対馬領主の宗義智の築城であることが主力になり、相良氏、高橋氏、筑紫氏らが協力したとのこと。二の丸にハッキリと残る虎口を抜け、一の丸へ向かう。
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5分ほどで一の丸への虎口が見えて来る。扁平の石を積み上げている。この石垣はかなり綺麗に残っており、感動。
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朝鮮出兵が終わると半島との関係は完全に切れるわけだが、朝鮮との交易で利益を上げていた対馬は困窮してしまう。そのため、藩主の宗氏は関係修復に奔走、何とか朝鮮通信使の招聘に成功した。そして、平和な江戸時代となり、この城は歴史の中に埋もれることになった。もう一段上の虎口からはご覧の通り、周囲が一望できる高さ。
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そして、やっと一の丸のてっぺん(清水山山頂)に到着。絶好の晴天の中、周囲の山々と青い空が綺麗だった。
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ここからの厳原湾も美しく見えた。やはり、到達した喜びとともに癒される瞬間だ。少し、休憩をして山を下りた。
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清水山城は、登山口から一の丸までの往復で1時間少々だった。運動不足のサラリーマンにとっては丁度良い運動のレベルと思う。道中は石や岩場で少々、登りにくいが、整備されているし、案内もある。道中や曲輪の石垣を見る楽しさとその歴史的価値、曲輪からの眺望などから、★★★★★と評価出来るレベル。是非、対馬まで行くなら、金田城とセットで登城したい城と思う。
この後、この清水山の麓にある金石城を登城したので、後日、アップする予定だ。
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前日に100名城の島原城を登城、雲仙の温泉でマッタリした翌日、100名城でも続100名城でもない日野江城へ向かった。
登城日は2019年3月24日。4日間で九州の100名城、続100名城を巡る旅の最終4日目の朝一。その道中、仁田峠を通過すれば、平成新山を見ることが出来る。1990年に発生した雲仙普賢岳の噴火によって出来た新山だ。
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仁田峠から40分ほどで日野江城に到着。城址入口に駐車場があるが、ちょっと分かりにくかった記憶がある。国指定史跡でもある城、ここが大手口(推定)になる。
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日野江城は1216年頃に有馬氏が築城したと推定されている。戦国時代を通して、有馬氏が居城、転封になるまでの約400年間も続いた。大手口の階段を登ると、このような景色が待っている。
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発掘調査により、当時の国内技術では不可能な階段遺構が見つかった。踏み石の多くが石塔の石が使用されているとのこと、有馬氏は所謂、キリシタン大名でかなりの寺を破壊したことから、それを転用したのだろうと推定されている。
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有馬氏がこの地を去り、1616年に松倉重政が入ると、ここを手狭に感じ、島原城の築城に繋がって行く。そして、日野江城は廃城となった。所々に、石垣が残っている。
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日野江神社を過ぎ、本丸に到着、やや木々が邪魔だが、眺望は良かった。
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城址からは、海外製の陶磁器や金箔の瓦なども見つかっており、当時の豊臣秀吉との親密性も窺えるとのことだ。本丸にある城址碑を見て、下山する。
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山麓の駐車場から本丸まで行った往復で30分少々であった。ここは、キリシタンを奨励した有馬氏と、逆にキリスト教を徹底弾圧した松倉氏が関係した歴史的な場所で、先進性も感じられるなかなかの城、島原城・原城とセットで、是非、訪れたい。
この後は、キリスト教徒悲劇の場所、原城へ向かった。
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